よみおえた。
告白の胸糞悪さをなんとかしたくて思いっきりポップなお話を選んだよ。
ず〜んとした気分の時にちょうどいい、軽やかな言葉と、カワイイ表紙。The Crush(一時の恋)ってタイトルも読み終わってみるとなるほどなって。「スキ・キス・スキ!」って邦題はハテナだけれども。
この前読んだ『どこからも彼方にある国』と同じ、Ya Stepシリーズ。ティーンの青春ストーリーたち。
ごく普通の中学生アリーは、若い子達の間で大流行中のバンド、ファイブナインのボーカル、スティービーが大好き過ぎて、ファンを通り越して恋焦がれていた。
誕生日に念願のコンサートに行けることになり、彼らと同じホテルに泊まれたり、招待客しか入れないアフターパーティに上手く潜り込んだり、徐々に接近することに成功する。
そして恋人キャスライルと別れ話の真っ只中のスティービーを偶然見つけてしまい、ファンとしてではなく、悲しんでいる人を慰められる唯一の存在として、ずっと夢見ていたスターと会話を交わす…
この事をきっかけに、わたしが誰よりも彼を大好きなんだから!トシを食いすぎたパパとママはわたしのときめきを分かりっこないわ!!的な、いわゆる『恋は盲目』から一歩大人になる様子が最後の方でわかる。
といったおはなし。
アリー視点で書かれたテンポのよい流れで、はぁー?バッカじゃないの?マジで!とかの話し言葉が満載でサラッとしてる。
あと、聞きなれない個性的な言葉がよく出てくる。
わたしのお気に入りは、『脳みそが配られているときに、どこにいたの?』ていう皮肉。あと『リウマチのカタツムリのようにノロノロと』ていうのも面白いと思った。