2015年6月11日木曜日

どこからも彼方にある国

どこからも彼方にある国/Very far away anywhere else
yonda.
よんだ。読んだ。

天地のマージンがやけに広いレイアウトで、文量が少なくさくっと読めた。

けっこうむかしに書かれたおはなし。
友達のいない少年が、ちょっとしたきっかけで出会った少女と過ごすことで変わっていく、みたいな、これの前に読んだ『ぼくは夜に旅をする』にとても似ているストーリー。
ただ、これは主人公が17歳なのにやけに言動と思考回路が中学生っぽいなぁと思った。

自称頭脳派インテリ系のオーウェンが、偶然乗ったバスで近くに住む少女ナタリーに出会う。ナタリーは作曲家を目指して音楽学校の講師をしたり楽器のお稽古をしたりと忙しい。
いろいろとしっかり考えるタイプの二人は話が合い、どんどん仲良くなっていく。
17歳という年頃もあって、オーウェンはナタリーに恋をしたと思い込む。
一方ナタリーは友情に恋愛感情を持ち込もうとするオーウェンを突き放す。
ナタリーの作った曲が初めて公の場で演奏されるというので、ナタリーとは気まずいままのオーウェンは、こっそりと観に行く。
そこで聴いたナタリーの曲に、心を動かされたオーウェンに、ナタリーは気づいて家に招く。
自分は音楽を通してしか自分を表現できない、と打ち明けるナタリーに、思い込みではなく本当の恋心を抱くようになる。

かんがえたこととか。



この「思い込みの恋」っていうのが独特の表現で、毎日異性の友達と会って、ドライブして、そんなことばっかりしていたら、女の子の父親はふつう心配する。
心配って、友達と会ってるだけなのに何を心配するんだ?
なるほど、男女の関係かと思われているんだ。
確かにしょっちゅう会ってるならそういう関係だと思われるだろう。みんなはこういう関係のことを愛だの恋だのと言っている。そうかこれは恋なんだ。
という具合からの恋心。


『これは愛に違いない。愛だなんだと言ったって、意味するものはセックスなんだ。人間をゴリラと区別するために、ちょっと気取って「愛」と呼んでいるだけのことなんだ。恋に落ちたから、セックスをするんじゃない。セックスしたいときに「愛」という言葉をつかうんだ』
つい最近、飲み会でこんなような話をしたばかりだったのでこのフレーズが出てきたときはびっくりした。
たぶんこれは男性的な思考回路で、彼らもそーだと言ってた。
ここで男女は衝突するんだと思う。
し、ナタリーとオーウェンは一度そこで衝突した。

言いたいことは分かるんだけど、そこをどストレートに出すと、大抵の女子は引く。男性的なこういう思考を全面に出さずにして、女性側も手放しにどん引きするんじゃなく、男女の思考回路の違いを理解しないといけないんだなぁ。むつかしい。
同じヒトでも、やっぱり男女って別の生き物なんだな。

たぶんこのものがたりが言いたいことはもっといろいろあるんだろうけど、わたしはそれを一番感じました。

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東京都, Japan
26歳♀下町生まれ下町育ちのクリエイター。
水辺ときれいな色とアロマと旅行と中国茶/台湾茶が大好きで、暗いところと重いものと辛いものが苦手な水属性です。
好きな香りは白檀。PacificaのSANDALWOODを愛用。

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